珈琲とスナップと

スナップ写真を極めたい男のブログ。愛機や写真について、好き放題語ります。

Nikon FM3A を買ったよ

Nikon FM3Aを買った!ん?何その機種?って思われる方もいるかもしれないが、ニコン最後のMFフィルムカメラであるアレのことだ。 


このカメラを、今更当時の定価並みの価格で買う人間もまあ珍しいことだろう。僕自身も驚いている。完全に衝動買い。が、ただの衝動買いではない。

僕は、ニコンのカメラが使いたいとここ数カ月ずっと思ってきた。それはNikon Z50であったり、発売が発表されて大好評のZfcであったり、はたまた数年前の名機dfであったり、とにかくニコンの操作性が手元に欲しいなと思い様々な機種を物色してきた。

 

が、どれもこれも決定打にならなかったのは、良い意味で愛機であるLeica Q2のせい。どんな良いカメラを買ったとしても、結局はQ2の良さにスポイルされ、使用頻度が限られることが想像出来てしまうのだ。改めて、絞り開放F1.7の28mm凄さを実感するとともに、逆に言うとレンズ遊びを止める為に手に入れたQ2が自分にとって正解であったことを改めて認識することが出来た。

そんな中でもたまたま店頭で見つけたFM3Aに一目ぼれし、購入してしまった理由。それは・・・

1.      一眼レフが使いたい
2.      追針式露出計搭載のフィルムカメラがほしい
3.      絞り優先がほしい
4.      パンケーキレンズ Nikkor 45mm F2.8Pの存在

これだけの理由が一度に揃ってしまったから。一つ一つ説明させていただこう。

1.      一眼レフが使いたい・・・僕の愛機はLeica Q2、Leica M4、それからOlympusのXA。なんとXAも含めて全てレンジファインダー式 笑(厳密に言うとQ2は違うけど)。 こうなってくると、一眼レフでもミラーレスでもいいんだけど、ピントをバシッと合わせて撮る一眼スタイルがほしくなるものであり、それが別のカメラを探している理由でもあった。

2.      追針式露出計搭載のフィルムカメラがほしい・・・僕はちょっと前までLeica M4を手離して、露出計のあるMPに買い替えることを結構真剣に検討していた。それほどフィルムでもデジタル同様厳密な作品撮りがしてみたいと思っていたのだが、最終的には〇×方式の露出計が僕の撮り方に合わないことから断念。欲しかったのはM5やRollei 35などに搭載されている追針式露出計搭載のカメラだったが、FM3Aがそのタイプであることに気づいてしまった(眼中になかった為その認識がなかった)。

3.      絞り優先がほしい・・・Leica M4を使っていていつも思っていたのがコレ。よってM7の購入も検討したんだけど、投資するにはあまりに高く断念。そしてこれについてもFM3Aが該当することに気が付いてしまった。

4.      パンケーキレンズ Nikkor 45mm F2.8Pの存在・・・上記の条件が揃い、かつ冒頭に書いた通りデジタルではニコンを使う余地がないことがわかった時考えられるのがフィルムだった。F100や、既に所有しているF80でも良かったのだが、原宿の某フィルムカメラ屋さんでFM3Aに出会ってしまった。これだけなら買わなかったかもしれないが、一緒に売られていた45mm F2.8Pに痺れた。FM3Aにベストマッチングだなと思ってちょっとググってみたら、なるほど当時このレンズキットで売られていたと言うではないか。僕は富士のX-E3と27mmF2.8(換算40mm)のコンパクトかつ制限のある組み合わせが大好きだったこともあり、FM3Aと45mmF2.8はそれに該当する、僕の為のカメラとレンズだと思った。

まとめると・・・結局デジタルに関してはQ2で全てまかなえてしまうということが大きかった。Q2は画質のクオリティ的にメインカメラでありながら、手に馴染むサイズ感でありいつでもも持ち運べるからサブ機を必要としない(GRIIIは持っているけど)。であるなら、以前から欲しかった「作品撮りが出来るフィルムカメラ」。それをFM3Aに任せてしまおうかなと思い立った。露出計のないM4でもそれはある程度出来るけど、FM3Aならより自信をもってリバーサルフィルムも使っていけそうだし、ライカではそうそう出来ないオールドレンズ遊びも手頃なお値段で楽しめる。また、もう一つ、このカメラが大体2001年から2006年という2000年代初期に作られた、ニコン最後のMF一眼レフ機であるということも僕にとっては大きかった。当時は僕が大学生から社会人3年目くらいまでの時代だけど、当時のことはまだかなり鮮明に覚えているし、あの頃はまだこんなカメラが店頭で売られていたんだなあと思うと、何とも言えない郷愁に駆られる。時代を感じるけど、まだまだ新しいとも感じられる、面白い時代の貴重なカメラだなと思った。僕は、それよりずっと古いNikon FM2から写真に興味を持ち出したけど、ここにきてその後継機であるFM3Aを手に入れたこと、またそれがFM2を模して作られたというZfcの発売タイミングと重なるというのも面白い。こういうロマン的な観点からもカメラ趣味は止められないなあと思うのだった。

 

自分の意図をしっかり反映できるフィルムカメラ。ちょっと楽しみだ。

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