フィルムカメラへの邂逅「Konica Big mini A4」
日々デジタルでビシバシ四隅まで綺麗な写真を撮っているとふと思う。あ〜、フィルムで気楽に撮りてぇ〜。
実際、このところ世間でもフィルムカメラ熱がどんどん高まっているようで、CONTAXシリーズなんかはとんでもない値がついているし、僕自身もNikonの真面目なフィルムカメラFM2と、ドイツ発祥のコンパクト、Rollei 35sを大切に持っている。どちらも大好きなカメラだし、今でもたまに持ち出す。
※唯一無二の佇まいを持つRollei 35s
とはいえ、やはり現在のデジタル愛機X-E3とX10があまりに小型で快適なのと、フィルムのコスパの悪さを考えると、フィルムカメラのみで出かけることはまずない。加えてフィルムカメラはある程度重さがあるので、E3とFM2を二機ぶら下げて出かける気にはならない。よって、デジタルと一緒に持ち出すなら必然的にコンパクトなRolleiになるのだが、このカメラ、決してパシャパシャ気楽に撮るカメラではない。絞りもシャッタースピードもあるし、何より目測式だ。もちろん、ある程度絞ってパンフォーカスにしてしまえばパシャパシャイケるのだが、ちょっとそういう使い方をするのはもったいないカメラなのだ。Rolleiでは出来ればジックリ撮りたい。
そうなるとベストなお気楽カメラは何なのか?僕の中でそれは写ルンです以外にない。何も考えずにこんなに失敗の少ない、かつ軽くて手に収まるカメラは他にないだろう。ただ、写欲というものはカメラ自体への所有欲からも引き起こされるもので、その魅力は当然写ルンですにはない。では、どうするか。写ルンですに近い写り、操作性を持つフィルムカメラを探すしかないだろう笑。
※30周年カバーをつけた写ルンです。現像してもなくならなければいいのに…
そんなわけで今回突発的に手に入れた機種がこれ。KonicaのBig mini A4。
ビッグでミニとはどういうことかと思うが、小さいけどビッグな写りをするという意味なのだろうか?最近にはない洒落たネーミングセンスである。ちなみにA4というのは、A4サイズの用紙をそのまま複写できる(要はそこまで寄れる)ということらしい。
このカメラの誕生は1989年。ちょうど平成元年にあたる。世はバブル期であり、当時は各社こぞって高機能なコンパクトカメラを発表していたとかいないとか。当機に至っては、全自動沈胴式コンパクトカメラのパイオニア的存在として相当売れ、後継機種はかの有名なアラーキーなんかも使っていたとのこと。個人的に、プラスチッキーでチープでありながら、どこか未来っぽいスポーティなこの見た目は相当好きだ(じゃなければ買わないけど)。
さて、早速その使用感の感想。正直かなりうるさい笑 電源を入れると、ジーっという電子音。シャッターもカシャ!ではなく、ジーっという結構けたたましい電子音。僕はカメラのレリーズ音にはうるさい方で、これまでカシャ!というタイプ以外のカメラを使ったことがなかったので、正直これは盲点だった。なるほど、これが当時ナウかったのか…。撮ってる感がないぞ…苦笑
とはいえ、30年選手である電子機器が、ここまで軽快に動くものかとちょっと感動。背面の液晶も新品のようによく映ってるし、ボディも綺麗。大切に使われてきたと思われる古い物を触ってると心が踊ってしまう。
レリーズ感はともかくとして、絞りやシャッタースピードを気にする必要がなく、露出補正もない、手にすっぽり収まるサイズ感。これで良く撮れれば正に写ルンですのように使える愛機になりそう。
次回は作例をいくつかアップしてみたい。