珈琲とスナップと

スナップ写真を極めたい男のブログ。愛機や写真について、好き放題語ります。

ありがとうZ50、またね。よろしくLUMIX G99。

 

Nikon Z50を手放した(まだ手元にあるから、手放す予定、が正しい)。そして、代わりにLUMIX G99+DG Summilux 25mm F1.4を購入した。今日はその話。前回までの記事で、Z5がいいななんて話していたのにこの急展開はなんだと思われそうだけど、これにはれっきとした理由がある。

 

 

まず僕はZシリーズとお別れしたわけではない。むしろ、Z5欲しいな、の流れから、いつかZ6IIと24-70mmF2.8を買おうと決心をした。ただ、これは金銭的にそう簡単に実現できることではないし、そしてこれはあくまでも「本気カメラ」としての話。Zが好きなのは変わらない事実なので、いわゆるメイン機をZにするなら、お散歩カメラは前々から好きで、一時はGX7MK3で楽しんでいたLUMIX機を買い戻そうと決めたのだ。

 

そもそもはZのフルサイズが欲しくて、Z50の代わりにZ5をお散歩カメラに出来ないかと考え始めたとこからこの話はスタートしてるんだけど、何度も店頭に足を運びイメトレを繰り返した結果、Z5は僕の中ではあくまでもメイン機であってZ50の代わりにはなり得ないと感じた。要は、Z5を購入してもZ50は手放せないなと感じたのと同時に、だからと言って、このセンサーサイズ以外にスペック的にそうそう大きな違いのないこの二機種を持つ意味はあるだろうかと考えた時、それは面白くないな・・・と。とは言え、Zフルサイズへの憧れはなくならないので、じゃあもうメイン機はZ6IIにしちゃおう、と決めたら、お散歩カメラはマイクロフォーサーズでちまちま楽しもう、と心が動いたのだった。都合が良すぎるかな?笑

 

他にいくつか理由を付け加えるとすれば・・・

  • Z50では(2022年7月現在)レンズ交換が楽しめない
  • メインで使っているLeica Q2とパナ機の色味が近くて好き
  • 加えて、静かなシャッターフィーリング、ビシッと合うAF性能も好き
  • 以前GX7MK3を購入する前に、どちらか迷ったのがG99だった。ディスコンが決まり、後継機の噂もない中今買うしかないと思った。

等々。

 

Z50との付き合いは賞味一年と短かったけど、Zの良さは噛み締められたし、フルサイズへの道も開けたし良かったと思う。なので、さよならというよりは「ありがとう、近々またね」といった感覚。高い買い物だし今年は我慢だろうけど、来年には手を出せたら良いなと考えている。

 

というわけで、早速G99+DG Summilux 25mm F1.4の作例をいくつか。20代の頃あれだけ狭くて難しいなと感じていた換算50mmが今の自分にはピッタリ来る。歳取ったのかな・・・。

 

繊細な描写と黒の締まりがLeica Q2を使っている時の感覚に近い。色味も好きだ。

緑が瑞々しい。

LUMIXのモノクロは本当に好き。

線が細くてボケもなだらか。

ここからは3:2写真で。やっぱり落ち着くね^^;

 

基本4.5くらいまでしか絞らない当レンズだけど、11まで絞ってみました。

なんだろう。白黒と言うより、グレーの諧調が良いのだろうか。


以前はパナライカレンズにしか興味がなかったんだけど、よく見まわすとパナソニックレンズも安くて良いものがたくさんありそうで、今後ちょこちょこ集めてしまいそう。楽しいおもちゃを手に入れてしまったものだ。




Z5が熱い

 

Z5が熱い。いや、まあ実際そうでもないんだけど・・・欲しいようなそうでもないような、Z5はそんな不思議なカメラ。

 

Z5が浮上してきた理由は、先月末急に欲しくなったPENTAXのK3IIIが思いのほか軽快過ぎて、最終的には自分の用途には合わないなと思ったことに起因する。要は、一枚一枚しっかり撮る自分に撮って、あれほどリーフシャッターに近いような軽快感は必要なく、むしろZシリーズの「ガチリッ」とした感じのシャッターフィーリングがより好ましく思えたから。そして何故Z5なのかと言えば、これもまたZ6IIは洗練され過ぎていてお散歩カメラには向かないかなと思ったから。そう、欲しいのは質実剛健なお散歩カメラ、そしてやっぱりフルサイズなのだ。

 

K3IIIで散々悩んだ理由の一つが、使ってみたいレンズが軒並みフルサイズ用であったこと。その点Zなら、描写性能間違いなしの50mmF1.8から、お散歩用28mmF2.8まで、何でもござれ。加えてボディもダブルスロット、防塵防滴。暗所性能だけは弱そうだけど無理というわけではなさそう。上部のモニターのないこの無骨な感じが往年のフィルムカメラっぽくもあり、何だかどんどんカッコよく見え始めてきた。

 

 

ただ、欲しいようなそうでもないような、と書いたのは、このカメラ、元々一目ぼれには程遠く、「これ誰が買うの?」って思ってたカメラであること(こういう人多かったと思う)。ただそれが逆に、レンズ重視でガシガシ使えそうな気がしてくるから不思議。PENTAXもそうだったけど、見る角度が変わることで、必要なかったもの、欲しくなかったものが真逆の評価になるからカメラ趣味は面白いし怖いなと思う 笑

 

そんなわけでまず手始めに、突然だけどZ28mm F2.8、買ってみました。

 

このレンズ、実は以前からずっとZ50用に欲しかったのだけど、35mm換算で42mmになる為、所有しているGRIIIxと丸っきり被るということで控えていたのだ。が、Zのフルサイズへの道が見えてきた今、まず単焦点を試してみるのはアリかなと。特に、今僕が一番狙っているZレンズが50mmF1.8であることを考えると、40mmF2は対象から外れるし、逆に50mmと28mmのコンビは個人的に大好物だしね。まあ、まだその辺の詳細は決めかねているけど、このレンズならもしフルサイズにいかなくてもZ50でしっかり楽しめるので先行投資的な意味合いも兼ねつつ買ってみた。

 

これがまあ、見ての通りZ50に合う合う 笑 

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しかも何の因果か、専用フードのないこのレンズにピタリとハマるAi-s Nikkor時代のフードHN-2が押し入れに眠っていたという事実。これはもう買うしかないでしょう。

 

そんなわけで早速Z50で試写してみた初のZ単焦点

F4

F4.5

F5.6

F8

ピクチャーコントロール「ドラマ」。これZシリーズで一番好きかも。

やっぱり40mm使いやすいな。これがあれば16-50mmはまあ使わない。そして改めて、これが40mmかあと思うと、今の自分にはZの50mmがピッタリハマる気がする。楽しみだな。





Elmar 5cm F3.5(Mマウント)との邂逅

 

M3を探していて気が付いたことがある。ライカとは・・・いやこれはオールドレンズやカメラ全般に言えることなのかもしれないが・・・僕にとっては偶然の出逢い、要は「邂逅」が重要なのだと。例えば中古店を物色していると、M3を探しているのに「これはイイよ~」と店主曰く入荷したばかりだというM5を進められたりする。で、全く買う気もないのにファインダーを覗いてみて「うわ、これはイイ!」と思わされる。「M4持ってるなら、M5は実用ライカとして最高だよ」なんて言われて、危うく買ってしまいそうになる。もしくは本当に買う。これが邂逅。

 

今回そんな邂逅が起こったのはレンズ。タイトル通りElmar 5cm F3.5(Mマウント)。購入した理由は次の通り。

 

  1. Mマウントのエルマー、F値3.5はF2.8に比べてあまり数がないこと(13,000本程度とのこと)
  2. 加えてちょうどその個体がフィートではなくメートル表記だったこと
  3. かなりの美品でお値段が(他のライカレンズと比べると)お手頃だったこと
  4. 1954年にM3と同時発売されたレンズであること
  5. 所有のM4 Black Chromeにもよく似合うこと
  6. 写真家ハービー山口さんも高く評価していたレンズであること(2009年頃の記事より)

これだけ条件が揃うと買わない方が難しい。特に僕にとっては4がすごく大きくて、要はM3を探しているときにそれと同じ空気を纏ったレンズを見つけたことに一つの運命を感じたのだった。M3はいずれ買うであろうことは僕の中ではっきりしているので、それに一番似合うレンズの一つ(沈胴式ズミクロは捨てがたいが)を先に手に入れておくことは未来への投資でしかない。加えて、万が一M3を買わないという選択肢を取ったとしても、M4にも似合うのだから言うことがない。付け加えると、僕がもしM4を手放し、M3も買わないという選択をした場合、狙うのは新品のM-A一択だと決めているので、そこに最古のエルマーを付けるのもまた乙だろうなと。要は、どう転んでも使うレンズであることと、M型最初期のレンズであるというロマンが同居した時、買わない理由がなかった。そして、冒頭に書いた通り、これが大量に並んでいる在庫の中から見つけた一本ではなく、街の小さなカメラ屋さんで見つけた一本であること、突如起こった「邂逅」であることが僕の財布の紐を解いた。ライカって、オールドレンズってこういう出会いを含めてロマンなんだよなと思う。

 

以前僕は、ズミルックス50mmの2ndとスーパーアンギュロンの21mm F3.4を短い間だが使っていたことがある。が、これらは目的意識のないまま見た目の良いレンズを大量に並べられた陳列棚から選んだだけで、そこに偶然の出逢い、嬉しい誤算のようなものはなかった。だからなのかやはり長続きせずに手放してしまった。M6のボディもそう。もちろん買う瞬間は欲しくて欲しくてテンションが上がっているんだけど、選び方、買い方、買う場所を間違えるとどうにも所有欲が満たされないものなのだ。

 

さてさて、そんなわけでこれが今の僕のライカセット。

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Summicronの6枚玉も含めて、小さくて軽くて、所有してることが重荷にならない程度の手頃感が好き。M3要らないかもしれないな・・・笑

 

 

一眼レフがほしい!からの結論

 

ここ数日間思い悩んでいた一眼レフがほしい問題。何度もカメラ屋に通い、YouTubeでレビューを見、検討した結果出た一つの結論・・・「Leica M3を買おう」。

 

filmbeatle.hatenablog.com

 

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意味が分からないと思うけど、簡単に言うと、たまたま中古屋さんで見たM3のファインダーにやられた。と言うか、恥ずかしながら僕はこれまでM3に興味がなく、ファインダーを覗いたことがなかったようだ(ということに今日覗いてみて初めて気づいた・・・)。所有しているM4で50mmレンズをつけると、ファインダの真ん中ら辺に小さい50mm用のブライトフレームが現れるけど、僕がイメージしてたライカの50mmはずっとアレだったのだ 汗。しかし視野率91%と言われるM3のファインダーに沈胴ズミクロン50mmを付けた時のファインダーは・・・全くの別物。正直驚愕した。加えて状態の良い個体のシャッターフィーリングの滑らかさと言ったら・・・どうやったらこんな官能的なフィーリングを作り出せるのか。直感的に、「良い写真が撮れそう」と思った。と同時に、そういった個体はかなり高額で「知らない方が良かった・・・」とも思っている。

 

それにしても、ライカと言うのは買い方が難しいなと改めて思う。今のM4ブラッククロームにSummicron35mm 6枚玉の組み合わせはめちゃくちゃ気に入ってるけど、M3にこのままこのレンズを付けるわけにはいかない。M3には前述した沈胴ズミクロン50mmか、ズミルックスの1st(同じく50mm)と相場が決まっているからだ。一方で未だ憧れているMPやM-Aのような歴史の浅いボディには何を付けても許される気がする。何ならフォクトレンダーでも。似合う似合わないはあるけど、いずれにせよ縛りみたいなものはないと言っていいだろう(別にM3もないんだけどね。拘りという意味で)。そんなわけで、M3が欲しいと思っても同じタイミングで欲しい状態のレンズが現れるかはわからない。逆に言えば、そのタイミングがピタリと合ったから今のM4ブラッククロームがあるわけで・・・。今後足しげくカメラ屋に通って運命的な出会いを待つか、そういう面倒くささを一切排除してM-Aに手を出す以外に道はないのだろうなあ~。シンドイ・・・苦笑

 

話を戻して、欲しかったPENTAX K3IIIの話をちょっとしておこう。

正直まだ未練がないとは言い切れない。それくらい力の入った良いカメラであることはわかったし、たぶん使用感という意味では最高に楽しいカメラだろうと思う。今後のM3熱がどう転ぶか次第ではまだ購入の目はあるかな。ただ、一つ思ったこととしてはキットレンズの20-40mmがすごく良い出来で、たぶん僕の撮り方だとこの一本で事足りてしまうんだけど、ボディスペック的にそれは非常に勿体ない。そうなるとまたレンズ道楽が始まってしまい、作品撮りからは遠ざかってしまうのかなあと思うと何とも悩ましい気持ちになる。であれば、フィルムをM3と沈胴ズミクロンだけにしてしまって、デジタルに続きフィルム機でも一つの到達点に辿り着いちゃった方が精神衛生上良いよなあと思った、というのが今回のことの顛末というわけだ。

 

カメラ・レンズ道楽というものは、結局のところゴールがない、終わりなき旅だなあと改めて思う。

 

一眼レフがほしい!けども・・・

 

悩んでいる。と言うか少し遠ざかった、一昨日まで買う気満々だった一眼レフ、PENTAX K3III。

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一つ確定していることは、NikonFM3AOlympus XAを手放そうということ。理由は、K3IIIに魅力を感じた時に、逆にフィルム一眼レフの使用頻度の少なさに気づいたが故。Olympus XAに関しても、GRIIIがあるとまあね、使わない。一本1,200円もするフィルムをXAのようなコンパクト機で消費しようと思えなくなってしまった。これはもう完全にフィルムのコスパの悪さに負けた形。でもしょうがないよね・・・フィルムに1,200円、現像とデータ化で1,500円。やってられないでしょ。フィルムは本気撮りの時のみ、Leica M4で、が一番精神衛生上良い。

 

実を言うと、これを機にM4も含めたフィルム機全機廃止も考えた。が、それはちょっと時期尚早かなと。というか、Leica Q2、Nikon Z50にLeica M4で一番スッキリするかなと。いや、逆にもうM4をM-Aにしちゃおうかとう気持ちすら頭をよぎってしまい、K3IIIが遠のいてしまった。というか、もう一つデジタルを入手するにはZ50は手放さないとまた何かが防湿庫の肥やしになってしまう。もうそれは避けたいのだ。

 

結局、僕がこの一年でやってきたことは、余計な機材を増やさず、常に少数精鋭でいようということだったはず。そんなことを改めて思い出し、頭を悩ませている。実際のところ、既に良いカメラを持っているのだから、やはり中味に投資すべきなんだろうな。今回我慢すればキャリブレーターだってプリンターだって買えてしまう。慌てず真面目に考えてみようと思う。

 

 

 

一眼レフがほしい!

 

どうしたものか・・・デジタル一眼レフがほしい。そう思ってしまった理由はこのカメラ。PENTAX K-3 MarkIII。

 

 

2022年5月現在、一眼レフ市場は間違いなく下火だ。NikonCanonも完全にミラーレスに移行した。そんな中PENTAXはレフ機を作り続けることを2020年に宣言している。消費者としてもポジティブな気持ちで手が出せる。

 

もちろんこれはきっかけであって、レフ機がほしいなと言うのはずーっと頭の中にあった。でも、これといった機種が見当たらなかったのと、申し訳ないけどPENTAXには一切興味がなかったからこのカメラの存在に気づいてもいなかった。でも、知れば知るほどこのカメラ、実にエポックメイキングな名機なのではないかと思えてくる。

 

まずファインダーがスゴイ。僕がレフ機がほしいと思う理由はファインダーでしかないから、ここは超重要。そして、今時背面液晶固定式というのも痺れる。開発者曰く、ファインダーを覗くスタイルに拘ったとのこと。本当かどうかわからないけどポジティブに捉えたい。ギッシリとしたボディは鉄の塊感があって頼もしいし、もちろん防塵防滴。グリップ感も良い。カスタマイズも自由自在のようだ。レンズに関しても、金属で、ニコンと違う細めの鏡胴のものが多く実に好み。大好きなパンケーキレンズもある。久しぶりに、FujiのX-E3を使っていた時のような、レンズを集めたい衝動に駆られそうな予感がしている。とにかくそそられるカメラなのだ。

 

ちなみに、僕が今持っているレフ機は、フィルムのNikon FM3A。Leica QやNikon Z50といった高性能なミラーレスをメインで使っている中で、これを持ち出す機会というのは相当な覚悟と言うか、逆に言えば撮れなくてもいいやくらいの気持ちがないと作れない(実際ISO400のフィルムを入れたら夜撮影は厳しい)。もうね、どんな時でもやっぱりその日に成果物が見たい。そういう体になってしまったらしい。正直、FM3Aくらいになるとコンディションさえ良ければデジタルに匹敵する画は撮れるから(画質ではなく構図的にね)、そういう意味でも、だったら余計にデジタルで良いだろうと。

 

FM3Aの問題ではなく、ミラーレスに疲れてきてるっていうのもある。撮る前に答え合わせをするあの間が邪魔だし、撮るテンポを阻害する。もちろんいつもじゃないし、Q2もZ50も楽しく使い続けるつもりだけど、撮影体験として一眼レフは一つ持っておきたい。Nikon D780も候補の一つだけど、イマイチ心躍らないかなあ。

 

まあ色々書いたけど、結局のところはデジタルデータではなく、肉眼で被写体を見て、光を捕らえて撮りたいということ。その欲求が最大限に高まった今この出会い。近々ポチりそうな気がしている・・・。

何故 Leica M4 Black Chrome なのか(M型ライカの選び方)

 

M型ライカはカッコいい。もうこれは理由とかなく、感性に訴えかけてくるものなのでそれについてはいちいち書くことはないだろう。ただ、そのカッコいいM型ライカの中から何を選ぶかは個人個人の想いが詰まってて、色んな人のブログやYouTubeなんかを見てると面白い。こんなにどれもこれも似たデザインで、機能も大して変わらないのに、それぞれのM型でファンを細分化するとその人の考え方や思想が大きく異なるのがわかるのである。

 

まず、フィルムなのかデジタルなのか。これは当たり前だけど一番大きい。もちろん両方使う人もたくさんいるけど。ちなみに僕の愛機はM4のBlack Chromeというちょっとした変わり種だけど、これはご存知の通りフィルム。僕の場合ライカを買おうと思った時に、そもそもフィルムしか思い浮かばなかったし、デジタルを触ることなくM4に辿り着いた。これも一つの個性、ライカに対する考え方なのだろうと思う。これは元々僕がフィルムから写真趣味に入った人間であることが一番大きいけど、さらに理由を後付けするとすれば、ボディの重さとサイズもまた要因としては大きいのかなと思う。その後デジタルのMを触る機会はたくさんあったけど、一度も心揺らがなかったのは、持った時の手への馴染み方が全く違うから。M10Rに至るまで、デジタルはどれも重いし、初期のMデジタルはサイズも違う。そういう意味では、先日出たばかりのM11は初めてちょっといいなと思ったモデルかもしれない。

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小型のズミクロン6枚玉が良く合う。露出計も、このちょっと分厚いI型のフォクトレンダーが好み。

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どこから見ても精悍で、斜めクランクがセクシー。

次に色。多くの人が黒を好む、と思いきや永遠の名機M3の名残なのかシルバークロームを選ぶ人も多数いる。逆に、黒は高いので仕方なくシルバーを選ぶという人も。僕のM4はブラッククロームという、黒の中でもペイントではない、マットなブラックだけど、これの人気はまあまあ普通のようだ。ヨーロッパではペイントよりクロームが好まれるっていう話を聞いたことがあるけど、日本人は使えば使うほど使い込まれた感がわかるペイントを好む人が多いらしい。僕も一時はブラックペイントの病に侵されて、「もうMP行っちゃうか!」と思って注文までしたけど、ギリギリでキャンセルした経緯がある。人気とかは置いておいて、どっちが自分らしいかって考えた時に出た結論がブラッククロームだったから。

 

MPの話が出たので繋げていくと、露出計がアリかナシか。ここでも大きく考え方が分かれる(ここからはもうフィルムライカの話になります)。ひと昔前だったら、完全機械式のM3やM4がもてはやされてたけど、今は一部のカメラ初心者の若者がフィルム機に飛びついていることもあってなのか、M6がやたら高い。美品なら30万円台は当たり前。絞り優先が付いたM7はもう手が出ない値段になっちゃったけど、今のM6を買うならM7で良いんじゃないかと思うくらいM6は高騰しすぎてる。

 

ちなみに、僕がM6ではなく、露出計のないM4を好む理由は過去記事に書いてあるので、ご参照を。

filmbeatle.hatenablog.com

 

M6から話を繋げると、レッドバッヂの有無もまた選択肢を分ける理由になる。僕は今でこそレッドバッヂ嫌いじゃないけど、やはり根本的にはない方が好ましいのと思うのには変わりない。だからちょっと前にM6のブラックペイントで、レッドバッヂが黒になっているバージョンを中古屋で見つけた時に、色んな意味でバランス最高だなと思ってしまった笑

 

色々考えをまとめると、僕の場合新品のM-Aを買うのがベストだと思ったことは一度や二度ではない。ブラッククロームが好きだし、レッドバッヂも要らない。使い込まれた個体よりきれいで傷のない個体が好き。考えれば考えるほどM-Aなのだ。ただ、一つM-Aの難点を挙げるとすれば、M-AはM4のような斜めの巻き戻しクランクではなく、M3と同様のノブ式を採用しているということ。また、巻き戻しレバーもM4のようなプラスチックの部分がないM3タイプ。まあこれに関しては恐らく慣れで、最初に選んだ方にどうしても愛着が湧いてしまうのだろうと思うので、購入してしまえば気にならない問題なんだろうなとは思うけれど。

 

ただ、M4を手放してM-Aを購入したとしても、傷一つない真新しいボディに一体どのレンズを合わせればいいのか。ここに大いに悩みが生まれるであろうことは容易に想像できるし、それがM-Aに対して踏ん切りがつかない大きな理由。僕のM4は1974年製ということで、レンズも年代の近いズミクロン35mm 6枚玉を付けて使っているけど、こういう相性、「このボディならこのレンズ付けとけば間違いないよね」みたいな「アガリ感」がM-Aでは難しい気がするのだ。考えられるとすれば、シンプルに現行のズミクロン50mmを付けるとか、フォクトレンダーのレンズを片っ端から楽しむとかになるだろうけど、正直どちらも決定打に欠ける気がするし、それだったら状態の良いM3に沈胴式ズミクロンなり、貴婦人と言われるズミルクス50mm 1stを付けたりする方が乙なのかなと思ったりもする。で、結局のところブラッククロームが好きな僕は今のM4、いわゆるスタート地点に戻るのである。

 

結局、このカメラメーカー数あれどライカにだけ感じる「ロマン枠」みたいなところが常にひっかかり、今のM4 Black Chromeが現状では僕にとってベストということになる。何度も何度もそう思ってるし、記事にも書くくらいわかってるんだけど、考えちゃうのがライカ沼ってやつなんだろうね・・・笑

filmbeatle.hatenablog.com