珈琲とスナップと

スナップ写真を極めたい男のブログ。愛機や写真について、好き放題語ります。

Elmar 5cm F3.5(Mマウント)との邂逅

 

M3を探していて気が付いたことがある。ライカとは・・・いやこれはオールドレンズやカメラ全般に言えることなのかもしれないが・・・僕にとっては偶然の出逢い、要は「邂逅」が重要なのだと。例えば中古店を物色していると、M3を探しているのに「これはイイよ~」と店主曰く入荷したばかりだというM5を進められたりする。で、全く買う気もないのにファインダーを覗いてみて「うわ、これはイイ!」と思わされる。「M4持ってるなら、M5は実用ライカとして最高だよ」なんて言われて、危うく買ってしまいそうになる。もしくは本当に買う。これが邂逅。

 

今回そんな邂逅が起こったのはレンズ。タイトル通りElmar 5cm F3.5(Mマウント)。購入した理由は次の通り。

 

  1. Mマウントのエルマー、F値3.5はF2.8に比べてあまり数がないこと(13,000本程度とのこと)
  2. 加えてちょうどその個体がフィートではなくメートル表記だったこと
  3. かなりの美品でお値段が(他のライカレンズと比べると)お手頃だったこと
  4. 1954年にM3と同時発売されたレンズであること
  5. 所有のM4 Black Chromeにもよく似合うこと
  6. 写真家ハービー山口さんも高く評価していたレンズであること(2009年頃の記事より)

これだけ条件が揃うと買わない方が難しい。特に僕にとっては4がすごく大きくて、要はM3を探しているときにそれと同じ空気を纏ったレンズを見つけたことに一つの運命を感じたのだった。M3はいずれ買うであろうことは僕の中ではっきりしているので、それに一番似合うレンズの一つ(沈胴式ズミクロは捨てがたいが)を先に手に入れておくことは未来への投資でしかない。加えて、万が一M3を買わないという選択肢を取ったとしても、M4にも似合うのだから言うことがない。付け加えると、僕がもしM4を手放し、M3も買わないという選択をした場合、狙うのは新品のM-A一択だと決めているので、そこに最古のエルマーを付けるのもまた乙だろうなと。要は、どう転んでも使うレンズであることと、M型最初期のレンズであるというロマンが同居した時、買わない理由がなかった。そして、冒頭に書いた通り、これが大量に並んでいる在庫の中から見つけた一本ではなく、街の小さなカメラ屋さんで見つけた一本であること、突如起こった「邂逅」であることが僕の財布の紐を解いた。ライカって、オールドレンズってこういう出会いを含めてロマンなんだよなと思う。

 

以前僕は、ズミルックス50mmの2ndとスーパーアンギュロンの21mm F3.4を短い間だが使っていたことがある。が、これらは目的意識のないまま見た目の良いレンズを大量に並べられた陳列棚から選んだだけで、そこに偶然の出逢い、嬉しい誤算のようなものはなかった。だからなのかやはり長続きせずに手放してしまった。M6のボディもそう。もちろん買う瞬間は欲しくて欲しくてテンションが上がっているんだけど、選び方、買い方、買う場所を間違えるとどうにも所有欲が満たされないものなのだ。

 

さてさて、そんなわけでこれが今の僕のライカセット。

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Summicronの6枚玉も含めて、小さくて軽くて、所有してることが重荷にならない程度の手頃感が好き。M3要らないかもしれないな・・・笑