珈琲とスナップと

スナップ写真を極めたい男のブログ。愛機や写真について、好き放題語ります。

何故 Leica M4 Black Chrome なのか(M型ライカの選び方)

 

M型ライカはカッコいい。もうこれは理由とかなく、感性に訴えかけてくるものなのでそれについてはいちいち書くことはないだろう。ただ、そのカッコいいM型ライカの中から何を選ぶかは個人個人の想いが詰まってて、色んな人のブログやYouTubeなんかを見てると面白い。こんなにどれもこれも似たデザインで、機能も大して変わらないのに、それぞれのM型でファンを細分化するとその人の考え方や思想が大きく異なるのがわかるのである。

 

まず、フィルムなのかデジタルなのか。これは当たり前だけど一番大きい。もちろん両方使う人もたくさんいるけど。ちなみに僕の愛機はM4のBlack Chromeというちょっとした変わり種だけど、これはご存知の通りフィルム。僕の場合ライカを買おうと思った時に、そもそもフィルムしか思い浮かばなかったし、デジタルを触ることなくM4に辿り着いた。これも一つの個性、ライカに対する考え方なのだろうと思う。これは元々僕がフィルムから写真趣味に入った人間であることが一番大きいけど、さらに理由を後付けするとすれば、ボディの重さとサイズもまた要因としては大きいのかなと思う。その後デジタルのMを触る機会はたくさんあったけど、一度も心揺らがなかったのは、持った時の手への馴染み方が全く違うから。M10Rに至るまで、デジタルはどれも重いし、初期のMデジタルはサイズも違う。そういう意味では、先日出たばかりのM11は初めてちょっといいなと思ったモデルかもしれない。

f:id:filmbeatle:20220302201845j:plain

小型のズミクロン6枚玉が良く合う。露出計も、このちょっと分厚いI型のフォクトレンダーが好み。

f:id:filmbeatle:20220302201851j:plain

どこから見ても精悍で、斜めクランクがセクシー。

次に色。多くの人が黒を好む、と思いきや永遠の名機M3の名残なのかシルバークロームを選ぶ人も多数いる。逆に、黒は高いので仕方なくシルバーを選ぶという人も。僕のM4はブラッククロームという、黒の中でもペイントではない、マットなブラックだけど、これの人気はまあまあ普通のようだ。ヨーロッパではペイントよりクロームが好まれるっていう話を聞いたことがあるけど、日本人は使えば使うほど使い込まれた感がわかるペイントを好む人が多いらしい。僕も一時はブラックペイントの病に侵されて、「もうMP行っちゃうか!」と思って注文までしたけど、ギリギリでキャンセルした経緯がある。人気とかは置いておいて、どっちが自分らしいかって考えた時に出た結論がブラッククロームだったから。

 

MPの話が出たので繋げていくと、露出計がアリかナシか。ここでも大きく考え方が分かれる(ここからはもうフィルムライカの話になります)。ひと昔前だったら、完全機械式のM3やM4がもてはやされてたけど、今は一部のカメラ初心者の若者がフィルム機に飛びついていることもあってなのか、M6がやたら高い。美品なら30万円台は当たり前。絞り優先が付いたM7はもう手が出ない値段になっちゃったけど、今のM6を買うならM7で良いんじゃないかと思うくらいM6は高騰しすぎてる。

 

ちなみに、僕がM6ではなく、露出計のないM4を好む理由は過去記事に書いてあるので、ご参照を。

filmbeatle.hatenablog.com

 

M6から話を繋げると、レッドバッヂの有無もまた選択肢を分ける理由になる。僕は今でこそレッドバッヂ嫌いじゃないけど、やはり根本的にはない方が好ましいのと思うのには変わりない。だからちょっと前にM6のブラックペイントで、レッドバッヂが黒になっているバージョンを中古屋で見つけた時に、色んな意味でバランス最高だなと思ってしまった笑

 

色々考えをまとめると、僕の場合新品のM-Aを買うのがベストだと思ったことは一度や二度ではない。ブラッククロームが好きだし、レッドバッヂも要らない。使い込まれた個体よりきれいで傷のない個体が好き。考えれば考えるほどM-Aなのだ。ただ、一つM-Aの難点を挙げるとすれば、M-AはM4のような斜めの巻き戻しクランクではなく、M3と同様のノブ式を採用しているということ。また、巻き戻しレバーもM4のようなプラスチックの部分がないM3タイプ。まあこれに関しては恐らく慣れで、最初に選んだ方にどうしても愛着が湧いてしまうのだろうと思うので、購入してしまえば気にならない問題なんだろうなとは思うけれど。

 

ただ、M4を手放してM-Aを購入したとしても、傷一つない真新しいボディに一体どのレンズを合わせればいいのか。ここに大いに悩みが生まれるであろうことは容易に想像できるし、それがM-Aに対して踏ん切りがつかない大きな理由。僕のM4は1974年製ということで、レンズも年代の近いズミクロン35mm 6枚玉を付けて使っているけど、こういう相性、「このボディならこのレンズ付けとけば間違いないよね」みたいな「アガリ感」がM-Aでは難しい気がするのだ。考えられるとすれば、シンプルに現行のズミクロン50mmを付けるとか、フォクトレンダーのレンズを片っ端から楽しむとかになるだろうけど、正直どちらも決定打に欠ける気がするし、それだったら状態の良いM3に沈胴式ズミクロンなり、貴婦人と言われるズミルクス50mm 1stを付けたりする方が乙なのかなと思ったりもする。で、結局のところブラッククロームが好きな僕は今のM4、いわゆるスタート地点に戻るのである。

 

結局、このカメラメーカー数あれどライカにだけ感じる「ロマン枠」みたいなところが常にひっかかり、今のM4 Black Chromeが現状では僕にとってベストということになる。何度も何度もそう思ってるし、記事にも書くくらいわかってるんだけど、考えちゃうのがライカ沼ってやつなんだろうね・・・笑

filmbeatle.hatenablog.com