珈琲とスナップと

スナップ写真を極めたい男のブログ。愛機や写真について、好き放題語ります。

Leica M6を3カ月で手放したお話

 

 

2021年、初の投稿。

 

昨年9月、Leica M6を新宿の某フィルムカメラ屋さんで購入した。購入動機としては、露出計のないM4での撮影を楽しみつつ、今度は露出計ありのM6を使うことで、また別のライカの楽しみ方を模索したいと考えたから。まあ、結局のところ、M4を使えばM6が、M6を使えばM3が気になるというライカの法則にまんまとハマった形。

 

本当は、新品でMPを購入してしまおうと思い、一旦は銀座のライカブティックでお取り寄せまでしたのだが、やはりボディだけで60万を超えるそのお値段に尻込みしたのと、60万あればM6とレンズ一本買えちゃうなと考えた時、やはりMPはコスパに見合わないような気がしてしまったのだった(M-Aへの憧憬が捨てられなかったのもある)。

 

そんなわけで、ライカさんには泣く泣くキャンセルのメールを入れつつ(既に店舗には届いていたが)M6を勢いで購入。レンズはとりあえず持っているズミクロン35mmを合わせて悦に浸っていた。

 

さて、にも関わらずたった3カ月で手放した理由・・・。率直に言うと、あれだけ「露出計ほしいなあ」と思っていたにも関わらず、フィルムを数本撮り切った段階で、「露出計いらねえなあ」になってしまったから。

 

僕の中でフィルムのライカは「体内露出計に身を任せて、予定不調和を楽しむ」という楽しみ方がM4によって構築されてしまっていた為、同じような撮り方をM6でしようとした時、どうしてもその露出計が「露出合ってないよ」と教えてくれてしまう。これが欲しかったはずなのに、逆にめちゃめちゃ邪魔だった 笑

 

言うまでもなくカメラの露出は常に正しいわけではなく、例えばカメラの表す適正露出はF8のSS250かもしれないけど、ビルからの光の照り返しがスゴイし、そこに立っている人たちのシルエットを光とのコントラストで表現したいから、絞りはF11にしてSSは500にしてみよう、などと自分で露出補正をし決定するわけだが、そこで半押しした時に暗いもしくは明るいという判定をされてしまうと、一体何段分ズレているのか知りたくなり、そこから絞りを変えたり、SSダイヤルを回したりするいわゆる「答え合わせ」のような行為を一つ挟んでしまい、速射性が奪われスナップがスナップでなくなってしまったのだ。M6の露出計は、明るいか暗いかの判定しかしてくれない為、例えばRollei35のように針の位置を見てそれを目安にするというようなことも出来ないため、この行為をせずにレリーズするということは大変に勇気がいるし、ストレスにも感じる。この点が僕にはどうも合わなかった。

 

もちろん、ライカでは風景や静物しか撮らないというのであれば、このようにじっくりと露出を追い込んでいく行為は有効だと思うが、現状の僕の撮り方にはちょっと向いていない、それがM6というカメラだった。ちょっと結論を下すのは早かったかもしれないが、他に欲しい機材も出てきた関係で、今のタイミングでは手放すこととした。これが事の顛末である。

 

それでは最後に、そのM6で撮った作例をいくつか。Portra400で撮ったので、すごく良い色の仕上がりになっていると思う。これだからフィルムは止められないなあ。

 

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