珈琲とスナップと

スナップ写真を極めたい男のブログ。愛機や写真について、好き放題語ります。

ベルビアが好き。フィルムシミュレーションが好き。

誤解してほしくないのだが、いわゆるビビッドな写真は嫌いだ。近年、とにかくビビッドでくっきりした写真表現が持て囃されるが、僕に言わせればそういった写真には「中身がない」ものが多い。やり方さえ覚えれば誰にでも撮れる、何の面白みもない写真だ。

 

Xシリーズには、ご存知フィルムシミュレーションが搭載されている。僕がその中からベルビアを選ぶ時というのは、ビビッドに撮りたい時ではない。ベルビアを使いたいなと思わせるシチュエーションだからベルビアを選ぶ。それは、ビビッドに撮りたいからビビッドモードにするのとは違う。おわかりだろうか 笑

 

例えば、以下のような写真。表現したいのは、緑と黄のコントラスト、整然と並ぶ木々とテーブルチェア、人々。そして木漏れ日。ベルビアの特徴が、それらを生かすのに最適だと判断した。思考の中で、ビビッドにしたいな、とは考えておらず、ベルビアが合うなと考えベルビアを選んでいる。

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こちらもそう。黒光りした車体と車内の照明。お姉さんの真っ青なパンツ。金髪の外国人女性。どこか海外を思わせるシチュエーションはベルビアにピッタリだと思った。

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一方で、この何の変哲もない日本風小径はクラシッククロームで撮ったもの。色はマイナス1、シャドウはプラス1にし、地味ながら味わいのある雰囲気を出した。

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このように、フィルムシミュレーションは、その人の感性を刺激し、使いこなしが求められる。だから面白いし、往年の写真付きの心を打つ。最初から、ビビッド、スタンダード、と決められてしまう他社の表現には違和感があるし、いやいやスタンダードって誰が決めてんねん、とツッコミを入れたくなる。自分にとってのスタンダードは、そのシチュエーションに最適な色表現なのだ。それを使い手に委ねてくれるフィルムシュミレーションは、やはり他社とは一線を画する、素晴らしい機能だと僕は思う。