隙のないコンパクト望遠レンズ XF55-200mmF3.5-4.8
写真に於いては「制限がある状態」というのが好きである。だから18-135mmといったズボラズーム(けなしているわけではありません)は性に合わないし、18-55mmすら合わずに手放したことは以前書いた通り。普段はひたすらXF23mmF2や27mmF2.8、50mmF2といった軽量レンズで撮影を楽しんでいる。
そんなわけでズームは滅多に持ち出さないのだけど、たまに持ち出して「やっぱりいいなあ、楽しいなあ」と思わせてくれるレンズ、僕にとってその一つがXF55-200mmF3.5-4.8だ。
Xシリーズの望遠域は、レッドバッジの50-140mmや単焦点90mmF2という選択肢もあるけれど、僕の中でこのズームは総合的にこれらをを上回る。理由は以下の通り。
- 画角が唯一無二(僕はたまにスポーツも撮るので、望遠側200mmは本当に助かる。)
- 小型軽量(スナップメインだとやっぱりここは外せない。50-140mmや100-400mmにはない強みだ。)
- 何かに特化した撮影をしない(例えば、ポートレートが三度の飯より好き、レーススポーツしか撮らない、など、目的がはっきりしていればそれに応じたレンズを選ぶ必要があるが、僕にはそれがない。その中で望遠域を選ぼうとすると、大抵の人はこのレンズになると思う。)
要は、街撮りに良し、ネイチャーに良し、ポートレートも撮れれば、スポーツにも文句なし。とにかく使いやすい、隙のないレンズ。それがこのXF55-200mmF3.5-4.8なのである。
普段軽い単焦点に慣れているとちょっとしんどい重さ(それでもフルサイズとは比較にならない軽さ)なのだけれど、これを持ち出す日は撮影に集中する日、と割り切ると、とても気持ちが良い。普段生活写真ばっかり撮っている僕だけど、この日ばかりはちょっとしたフォトグラファー気分になれるのだ。
それでは、今日の作例をいくつか。
総じて言えることとして、遠目からビシッと切り取れるので、撮られていることを人に意識させない。悪く言えば隠し撮りみたいになってしまうこともあるのだけど、近くから「明らかに撮られてるなー」って思わせるよりは良いのではないかと思う。もちろんあからさまに撮ってはいけないものを撮ったりはしないし、観光の一環としての撮影だし。
そしてもう一つ、今日のポイント。よく23mmや35mmの、準広角から標準レンズを以て、「これでなんでも撮れる」と言う人がいて、僕もその考え方には大賛成なのだけど、一本こういった望遠ズームを持っているとさらに良い、と僕は常々思っている。実際、最後の三枚はXF23mmF2で撮ったものなのだけど、ひとしきり望遠を楽しんだ後の広角はとにかく新鮮で、いつもより半歩から一歩被写体に近づけた気がした。
ドラマチックに切り取れる望遠ズームと、シンプルな広角単焦点。この組み合わせは本当に面白い。