珈琲とスナップと

スナップ写真を極めたい男のブログ。愛機や写真について、好き放題語ります。

ルーツとしての画角

 

多くの人がそうであるように(最近はそうでもないのかもしれないが)、僕も標準単焦点から写真を始めた。約10年前のこと。当時行き詰まっていた趣味としてのギターの代わりに何かないかと考え、すぐに思い立ったのが写真だった。手に入れたのはNikonの登竜門的フィルムカメラNikon New FM2。レンズはAi-s Nikkor 50mm F1.4。一眼レフなので、ここで言う 50mmとは、いわゆる文字通りの50mm(換算75mmではない)である。

 

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最近面白いなと思うのが、思い入れを持って買ったカメラやレンズの性格は、今所有する機材にも現れているなということ。僕がX-Pro1とXF35mm F1.4を最初のフジ機として選んだのも、FM2の馬鹿正直で質実剛健、写真を知っていないとちょっと使いづらい性格を受け継いでのことだったように思う。逆に言えば、フルマニュアルの一眼から学んだことで、多くの人が言う「AFが遅い」だの「動体追随が出来ない」だのを苦に感じたことがなく当然のこととして受け入れていた為、良くも悪くも機材に対するハードルが低く、一方で「撮る楽しみを与えてくれるか?」という点に於いては過度とも言えるほどハードルが高くなったのだった。

 

この「撮る楽しみ」というものを言葉で表現するのは難しい。人によっては、スマホでも十分にそれを味わえるからだ。何とか言葉にするとすれば「撮らされているのではなく、自分の意志で撮っていると感じられるかどうか」。撮りやすい撮りにくいはあまり重要ではなく、自分の意志がしっかりと反映されていればそれは十分に楽しいものとなり、それこそが自分にとっての写真だ。

 

余談が長くなってしまったが、やはりレンズはルーツである。上記の理由から35mm(換算50mm)が僕の写真の基礎となったのと同時に、僕にとって27mm(換算41mm)がスナップにベストな画角となったのもまた、銀塩コンパクトカメラ、Rollei 35sの影響が強い。今でもフィルムが使いたくなるとたまに持ち出すが、ボケなどは度外視して、構図を楽しむには一番の画角を持つのがこのRollei 35sが搭載しているSonnerというレンズ。結果として、Xマウントでも換算41mmとなるXF27mm F2.8を究極のスナップレンズとして愛用することとなり、画角の近いXF23mm F2はついに手放してしまった。標準スナップとしての27mm、ガッツリ被写体と向き合うときの35mm。この二本を手放すことは、よほどのことがない限りないように思う。

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※個人的に、カメラ史上最高のデザインだと思うRollei35s。ズッシリと手のひらに収まる感覚が堪らない。

 

このようにルーツをたどっていくと、僕の中で唯一説明のつかないレンズがXF35mm F2という先細りレンズ。換算50mmは「マジメにじっくり撮るための画角」であり、それはすでにXF35mm F1.4が満たしてくれている。そう、F2だけは完全にX-E3との見た目のマッチングに惚れて買ったのだった。ただ、これもやはりE3という小さなカメラで、マジメな画角である35mmを極めたいという純粋な写欲によるものなのだろう、ということで、このルーツの話を丸く収めたいと思う 笑

 

レンズ選びは楽しく、難しいが、今のところ所有する単焦点全てに満足している。

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※広角から、18mmF2、27mmF2.8、35mmF1.4、35mmF2、50mmF2、60mmF2.4macro。その日の気分で2本持ち歩けば、街中で撮れないものはない。

 

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※35mmF2で、のんびりしたPro1も途端に快適になる。