珈琲とスナップと

スナップ写真を極めたい男のブログ。愛機や写真について、好き放題語ります。

初めてのフィルムライカ。そしてデジタルとの比較。

 

Leica M4での現像があがってきた。感想は・・・こんなに撮れるのかという驚き。そしてやっぱりデジタルはデジタルですげぇってこと。今日はそんな話。

 

正直なところ、これだ!と思えたショットはそれほど多くない。レンジファインダー自体が初めてだし、よくよく考えると、フィルムでいわゆるスナップをガッツリ楽しんだのもこれが初めてかもしれない。10年以上前にニコンでフィルムを始めた頃は、絞り開放でモノ撮りばかりしていたもんな・・・笑 まあ、初心者は必ず通る道だけど。

 

何はともあれ、露出計のないカメラ。破綻しまくってたらどうしようと思ったけど、ネガということもあってほぼ全てが許容できるものだった。自分でも意外なほど、僕の体内露出計はある程度の精度を持っていたようだ。

 

以下は確か夕方16時過ぎ。まだまだ全然明るかったけどF4でテーブルの上のランプにフォーカスしてみた。ちょうど良いボケで、悪くない一枚に仕上がったように思うが・・・どうなのだろう?

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こちらは、後ろ姿の親子に焦点を当ててみた。F5.6くらいだったかと記憶している。若干バチピンではないが、横断歩道にいたので許してほしい 笑

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これもF5.6だったかなあ。ディテールがしっかりと残っていて驚いた。構築物、全く問題なく撮れる。

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こちらも同じく。半室内のような状況でも露出に問題はなかった。

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次の3枚は露光が足りてないのはわかりつつも、低速シャッターで頑張ってみたもの。

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デジタルと違って、黒の質感がモッタリするので、黒の範囲が多ければ多いほど、くどくなる。露光が足りなければなおのこと、ここは反省点だ。

 

同じ暗いシチュエーションでも、以下のように白が主体になったり、光の反射があればだいぶ印象も変わる。それにしても、細部までよく映っているなあと感心する。
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こんなものだけど、どうだろう?もちろん、もっと黒を引き締めたいとか、粒子を出したいとか、ライティングがどうとか、理想を語ればキリがないんだけど、初めてのライカ、初めてのレンジファインダー、初めてのズミクロン35mm。それだけで大きな満足感を得ているので、フィルムも含めてお金をかけた写真にはそれだけ気持ちも入るものだ。いや、冗談ではなく、今の時代にわざわざフィルムで撮る意味って、そういうことも含めてだと思う。レコード然り、珈琲然り、時間とお金をかけてこその充足感。これはフィルムをやる人なら、みんな持っている価値観だろう。

 

さて、前回も書いたけど、フィルムで撮り始めて改めてISO感度について考えるようになり、デジタルもある程度ISOを限定して撮るようになった。例えば昼間は400、夕方は800、夜は1600といった具合。そうすると自然に適正な露出がわかってくるし、僕が何より好きなのは「その時間に撮れないものは撮れない。撮れるものしか撮らない」という潔さなので(ある意味デジタルの恩恵を捨てちゃってるわけだけど笑)、その露出で撮れる最大限の可能性、みたいなものを引き出せるような気がしている。

 

例えばこれなんかは、GR3をフィルムに合わせてISO400で撮ったもの。夕方も17時半くらいで、もう限界なんだけど、だからこそ黒とグレーの間の諧調がじんわりと出ていて、ぼんやりとした明かりでドラマティックさを演出している。もちろん、ISOをAUTOにしていればもっと綺麗には撮れるけど、こうはならない。便利になればなるほど機能に遊ばれるって言うけど、やはり基礎を知っているって大事だなあと思う。

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なんか言いたいことが色々あってごちゃごちゃしてきたから、この作例で最後にしたい。f:id:filmbeatle:20190910141215j:image
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一枚目がデジタル、二枚目はフィルム。フィルムで何でも撮れると思う一方で、デジタルでいかようにも出来る、とも言える。基礎を抑えつつ、どちらの恩恵にもあずかりながら写真を楽しめたらいいなと改めて思った次第である。