珈琲とスナップと

スナップ写真を極めたい男のブログ。愛機や写真について、好き放題語ります。

GRIIIx 散歩 @鎌倉

 

前回の記事に対してプチ訂正。

filmbeatle.hatenablog.com

 

スナップ時のGRIIIx(もしくはGRIII)における絞り値において、F8が良いと書いたけど、F11がベター。これでたまにピントが合う距離を2.5mか5mか変える程度で大抵の場合全体にピントが合う。F8だと若干甘くなる時アリ。この辺はSunny 16 Ruleで調べれば山ほど記事が出てくるけど、要は被写界深度を出来るだけ深くしてピントの合う範囲を広げてるだけの話。そういえば、かの「写ルンです」もF11固定だというから、よく考えられた商品だよなあと改めて思う。

 

 

さて、そんなGRIIIxを持って鎌倉まで行ってきた。海写真が多くなるので画角的にはLeica Q2の方が良かったのだが、目的が写真撮影ではなかった為プライオリティのトップは身軽さ。一緒にNikon FM3Aも持って行こうかギリギリまで悩んだが今回は断念。

 

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ハードモノトーンで。鎌倉駅から徒歩10分の燕カフェさん。

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カレーが絶品。食後のコーヒーも良かった。

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趣のある店内をモノトーンで。

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海辺の子供たちがかわいかったのでついつい。

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ブリーチバイパスはおもちゃっぽくて滅多に使わないんだけど、ハマると良い味出してくれる。

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砂の質感がスゴイ!

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ポジフィルム調撮って出し。生々しい写りをします。

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何の脚色もない40mm。だからイイ。

わかっていたことだし、これまでも何度か書いてきたけどやはり40mmは本当に使いやすい。大げさなパースがつかないし、50mmのように被写体だけ切り取るというわけでもなく、背景も含めてその場の雰囲気をちょうどよく切り取る、正に絵葉書レンズ。

GRについて書くと、これは28mmにも共通することだけど、決して色乗りが良いとか人物をキラッキラに撮れるようなカメラではない。ただ、ポケットにはいるサイズでこれだけ多彩な表現をAPS-Cサイズで楽しめるというだけでそれがもう大きな価値観であって、AFがどうとか、暗所耐性がどうとかを問うカメラではないだろう。その辺を優先したいならSonyのRXシリーズの方が良いと思う。

 

最後に・・・最近はGRはケースに入れることはやめ、ボディキャップを装着してポケットインするスタイルで固まった。ケースに入れると速射性が失われるし、一方でこれを外す時間を惜しむほどの速射性は求めてないからこれくらいがちょうどいい。地味におススメである。

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GRIIIx 僕なりの使い方

 

以前、「GR3 僕なりの使い方」という記事を二回ほど書いたんだけど、どういうわけか僕のブログで一番アクセスが多いのは2019年の8月に書いた最初の方。読み直してみたけど、一部を除いて今とやっていることはあんまり変わってないみたい。これを安定と呼ぶか停滞と呼ぶか。

 

filmbeatle.hatenablog.com

 

filmbeatle.hatenablog.com

 

そんなわけで、今回GRIIIx用にも同様に使用方法について書いてみることにした。

 

今回、焦点距離が40mmと狭くなったことで、使い方を大きく変えている点が一点ある。それは、背面のFnボタンの割り当て。恐らく大抵のGR使いはここにクロップを割り当てていると思うんだけど、40mmが基本の画角となったことで、個人的にクロップの使用が大幅に減った。まだ使って数日だけど、感覚的に恐らく95%は40mmで撮り続けると思う。50mmは自分が動けば対応出来るし、71mmはこのサイズのコンデジで使える画角としては「ギフト」という感覚。たまにその恩恵にあずかりたくなる程度。そんなわけで、僕はこのFnボタンに「スナップモードと通常撮影モードの切り替え」を割り当てることにした。僕はGRでは基本スナップモードでピントが合う距離を2.5mら辺に合わせてザックリと撮っているのだけど、時に明確に被写体にAFしてぼかしたいと思う時も当然あるので、そんな時親指で一発で切り替えられるのは便利。特に、焦点距離が40mmとなったことでボケを取り入れた表現は増えると思うのでこれはオススメだ。

 

次にADJボタン。ここには左から、「イメージコントロール」「測光モード」「アスペクト比」「クロップ」「記録形式」。「イメージコントロール」は、このカメラの礎となるものであることはGR使いならば言うまでもないだろう。測光は、個人的にどのカメラであってもちょいちょい変えることがあるし、真四角写真が好きなので、「アスペクト比」を入れて1:1を簡単に選べるようにしている。「クロップ」をここに置くのは、まあ消去法というか、ここにあるくらいが便利でちょうどいいかなという感覚。ちなみに僕の場合、GRではほぼRAW撮りからの「気に入ったものだけカメラ内RAW現像」なので、記録形式を変えることはまずないんだけど、まあこれも消去法。ぶっちゃけてしまうと、「ISO」「WB」「ドライブモード」「マクロ」が背面の十字キーにそのまま使いやすく並んでるから、ADJボタンはイメージコントロールをたまに変えるのと、露出補正以外ではほぼ触らないから何でもいいのだ 笑

 

結局はこのカメラ、いかに事前にカスタマイズするかで使い心地がだいぶ変わってくる。もちろんどのカメラも基本的にそうなんだけど、GRの場合うまくすればずっと片手で操作が可能だから、触る項目を減らせば減らすほど理想的なスナップシューターになってくれる。僕の場合、上記の設定に加えて、ISO感度を400、絞り優先モードで絞りはF8、露出補正を-0.3かけておき、スナップモードにして、スナップ撮影距離を2.5mに設定。イメージコントロールはモノクロ。記録形式はRAWのみ。これを「STANDARD」として設定登録している。

 

何故これがスタンダードかと言うと、単純に僕がISO400のモノクロフィルムをよく使うから。この感度であれば、絞りを開けたり絞ったりすることで大体何メートルから何メートルの間にピントが合うか何となく体に染みついている。ちなみにF8で2.5m先にピントを合わせておけば大体ザックリ2~4mの間の被写体にピントを合わせることが可能だ。場面に応じて絞りを変え、スナップ撮影距離を変えることでピントを合わせ、それが難しい場面でのみISOを上げる。また、前述した通り絞りを開けてスナップモードを解除→AFでピント合わせをしてぼかしたり、とにかく自由自在に操作することが出来る。

 

また、もう一つの設定は、上記をそのままシャッタースピード優先モードにして、ISOを800へ。SSの低速限界値を1/125に設定したもの。これは、道行く人たちを止めたい時に有効な設定として「STREET」として登録している。ただこれだけのことだが、設定登録しておけば上部のダイヤルを回すだけで良いのだから、設定しておくに越したことはない。

 

他にも、完全フルマニュアルモードにし、フィルムカメラをイメージしたソフトモノクロームにしてみたり、1:1でしか撮れない設定を作ったり、撮りたいものを想定しながら色々な設定を登録している。以前はイメージコントロールを変えただけの設定をそれぞれ登録していたこともあったけど、それはハッキリ言って意味なし 笑 それよりはこのように「どういったシチュエーションで何を撮りたいか?」を予め想定して登録しておいた方が、あらゆる場面に最低限の操作で変更できるし、大幅に効率が上がり満足感も高まる。

 

個人的に、あくまでも「記録写真」としての使用が多かった元祖GRIIIとは違い、完全に「最速スナップシューター」としてそのお株を奪った形のGRIIIx。長い付き合いになる相棒になる予感がしている。

 

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最後に余談だけど、最近ストラップを左手側に付けるスタイルを試している。僕はGRと言えど両手で支えて撮るのが好きなので、こうすることで自然にそのスタイルで撮れるからだ。自分で書いていてマニアックだなあと思うけど、こういうことを考えている時が一番楽しいなあと思うのだった。

 

 

 

 

GRIIIxを手に入れました

 

買ってみました、GR3x。

 

 

何故「買ってみた」という言い方をするのかと言うと、正直使ってみるまで僕がコンデジに何を求めているか明確でないところがあったから。

オリジナルのGR3は28mmから撮れるので、最終的にトリミングするとしても基本的に「何でも撮れる」という安心感がある。ただ一方で「トリミングありき」になるので、撮った後の作りこみに時間を要するし、撮る前もサクサククロップしてしまう。一方でこの40mmのGRは最初から被写体を「決め打ち」するような感覚で撮れるので、僕は正直この画角ならトリミングはしないし、50mm、71mmのクロップもほぼ使わないと思う。それくらい使いやすく、潔い画角。ただ、当然のことながら28mmのような広角表現はどうしたって出来ない。


最終的に、上記のメリット、デメリットをどう取るかということになるわけだが、28mmのような運用方法は個人的にはLeicaのQ2をメインで行っていることもあり、GRのようなコンデジにはもう少し潔さを求めたいなというところもあって、結局xを導入してみることにしたという流れ。

さて、早速使ってみたが、やはり想像通りめちゃくちゃ使いやすい!そもそも40mmという画角は、昔のコンパクトフィルムカメラなら結構当たり前の画角で、僕自身もいくつか使ってきた経緯がある。特にRollei35sというカメラはお気に入りで、このカメラだと何の迷いもなく被写体をフレームに収めることが出来ていた。それは、その後愛機となる富士フイルムのX-E3にXF27mmF2.8(換算40mm)を付けた時に一番スナップが捗る、という経験にも繋がり、40mmは僕の大好きな画角だったのだ。そんなこともあって、GR3xについても、感想としては同様の印象を抱いた。とにかく迷いなく撮り続けられる。その証拠に、28mmのGRだと通常一日で50くらいのショットのところ、40mmになった途端なんと4倍の200ショット弱撮れてしまった!

さて、一方で28mmのGR3について、40mmの作例を出す前にひとこと。僕がこれを持ち出す時というのは、「写真を撮ることが目的ではない外出」の時、と相場は決まっていた。つまり「保険」のような存在。28mmなら室内もイケるし、テーブルフォトもなんのその。自撮りもOK。ただ一方で、撮った28mmの画がそのまま作品になるということは僕の撮り方ではなかなかなくて、結局トリミングすることがほとんどだった。これは28mmという画角に対する僕の印象だけど、「ファインダーのない28mmは難しい」というのは、結局いくら使っても変わらず、それは一番最初にGR3xがアナウンスされた時に「これを待ってたんだ!」と一瞬で欲しくなってしまった理由として真っ先に挙げられる。それに、撮った写真を切って切ってハイコントラスト白黒にしてGRぽく仕上げる、という一連の作業が最近ちょっとマンネリになっていたこともあって、いわゆる満足感がない、というのが最近の僕の中でのGR3 28mmの立ち位置だった。あとこれはとあるYou Tubeチャンネルで誰かが言っていたのだけど、28mmというのはiPhoneと同じ画角なので、iPhoneとの差別化が事実上難しくなっているという話。これはもっともだと思ったし、RICOHさん自身にも、このカメラを出した思惑としてその辺はあったのかもしれないな、と思う。

とはいえ、結局のところこの二つのGR、当然のことながら優劣はなく、人それぞれ「どう捉えるか」というところに集約されるのだと思う。仮に僕が先に40mmを手にしていて、その後28mmだったら、「これなら何でも撮れるじゃん!」という安心感を得ていたかもしれないし。また、他に持っているカメラのスペックにも左右されるところがあるだろう。例えば僕がLeica Q2の代わりに換算35mmの富士X100Vを愛機にしていれば、28mmのGRの方がサブとして重宝していた可能性も高い。


いずれにせよ、現状の僕の感覚には40mmの方が心地良く使いやすい。というわけで、作例を全てJPEG撮って出しで。

 

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少し中途半端な構図になってしまった。ハードモノトーンで。

 

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ハイコントラストモノクロで撮ったけど、ポジに換えてみた。

 

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40mmは足とか切れちゃうことも多いんだけど、その方が写真としてバランスが良くなることがある。


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これぞGRって感じ。


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これも。そして、入りきらない40mmが実に良い。


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ザ・ストリートスナップ


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特にどうと言うことはないけど、一枚自撮り。


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あとで見返したら、これはハイコントラストはちょっとやりすぎだった。何でもカッコよく見えるから、やりすぎには注意。


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スナップモードで撮ってるからピントは甘いけど、これはこれで良しなんだよね。


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光と影を追いかけたくなるのがGR。


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GRで必ずやりたくなるやつ。


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GRで必ず撮りたくなるやつ。

 

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これもハイコントラストである必要はなかったな~。


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通常のモノクロ。結局これが一番上品で好きだったりする。

 

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撮ろうとしたところにちょうど良く車のライトが入ってきた一枚。

 

結局、予想通り一枚たりともクロップは使わず、毎回ドンピシャで構図が決まるので嬉しくなってしまった。このGRとは長い付き合いになる気がする。

 

 

画角について考える

 

換算40mmのGR3x、予約した。ビビッと来たものは買う。違ったら手放す。これはカメラ趣味をする者として避けられないことだと理解している。

 

 

さてさて、そんな40mm。何で好きかと言うと、別に僕が今40代だからではない、と思う・・・。28mmも好きだし、75mmも好きだし。ただ、日常スナップで一番使いやすい焦点距離であることは間違いない。ただ、GR3は28mmスタートとはいえ、35mm、50mmとクロップできる為、わざわざGR3xを購入しなくてもおおよそ40mmに近い画角は得られる。一方GR3xは、40mmスタートで、50mm、71mmクロップである為、汎用性という意味では28mmを持つオリジナルGR3よりは低いと言えるだろう。

 

それが分かっていて何故GR3xを求めるか。それは僕にとって、「28mmという画角はファインダーなしで使う画角としては少々心地が良くなかったから」、これに尽きる。何故なのかと問われると言葉に詰まる部分もあるけど、例えば40mmが目の前にあるものを余すところなく収める画角と考えるなら、28mmは入らない部分もキュッとまとめてまあるく収めるというイメージが僕にはあって、それはファインダーを除くことで初めて実現できるイメージが僕個人的にはある。要は、ファインダーなしで28mmを撮ろうとすると、その「自分の目の中に包み込む」というイメージを持てないままシャッターを押すので、妙に心地が悪いのだ。ただ、これは恐らく僕の28mmという画角の使い方の問題なのだろうと思う。人によっては、28mmや24mmでグイグイ被写体に寄って撮るってことをやってのけるんだろうし、それであればファインダーはなくても良いのだろうけど、僕が28mmを使う時と言うのは主に遠景の景色であったり、ストリートスナップでも被写体は若干遠目にありつつ、構図ありきの写真を撮ることが多いので、やはり「まあるく収める」という感覚が拭えず、そしてその為にはファインダーが必要なのである。

 

一方で40mm。だいぶ前の記事で書いた記憶があるけど、この画角を僕は「絵葉書のような画角」と勝手に思っていて、どんな場所にいても、周りにある何かをちょうど良く収めるのに向いていると思っている。その名の通り絵葉書のようにピッタリ長方形を切り取ることが出来るのでファインダーがあろうとなかろうと関係ない。以前長らく愛用していたFujiのX-E3とXF27mmF2.8(換算40mm)が正にこれに当たり、この組み合わせの時はファインダーを使わなくても心地よく写真が撮れたことをよく覚えている。うーん、そんなことを書いていると、この組み合わせを買い戻しても良いような気がしてくるから怖いけど 笑 言ってしまえば、この時の使い心地とGRの速射性、コンパクトネス、両方を兼ね備えているであろうことからGR3xは僕の胸に刺さったのだと言える。

 

そんなわけなので、GR3xに問題がなければ、オリジナルGR3は手放すことになるだろう。

 

最後に、二年前くらいに撮った40mmショットを数枚。散漫だけど、そのままハガキにして歌詞でものせてみたい感じがやはり好きである。

 

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Nikon FM3A スナップ

 

ニコン最後のマニュアルレフ機、FM3Aを手に入れて初めてフィルムを現像した。使ったのはKodak Portra 400。レンズはAi-s Nikkor 45mm F2.8P。

 

 

FM3Aを使っての感想としてはやはり「あ~、絞り優先ってなんて素晴らしいんだろう」ってこと笑 今じゃ当たり前の機能だけど、出てきた当初はインチキじゃないけど、結構賛否両論あったらしい。確かに、長いことマニュアルのレンズやカメラを使っていると、それほど画期的な機能であったことは想像に難くないし、ことストリートスナップにおいては、光が入ってくる角度さえ把握していれば基本常に露出補正のことだけを気にしていれば良いのだから、当時写真に携わっていた人たちからすればありがたい反面、とんでもないことしてくれたなっていう思いもあったのではないだろうか。

 

って、一応断っておくと、別にFM3Aが絞り優先の初代というわけではなく、それより何十年の前からあった機能だけど、FM3Aを語るときに、絞り優先機能付きの(機械式と電子式を両方積んだ)ハイブリッドシャッターというのは外せないポイントなので言及させてもらった。電池が切れたり、電子制御が壊れても、機械式としては使い続けられるというのがポイントで、当時のニコンの技術の集大成のようなカメラなのである。

 

そういうわけで、スナップは恐ろしく捗るんだけど、あくまでもマニュアルフォーカス機なのでオールドカメラ然として使える。でもNikonのロゴは斜めの現代タイプということで、クラシカルでありながらスマートなところ、懐古趣味ではなくあくまでも実用機として使えるところがとても気に入っている。

 

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縦位置ばかりになったのは特に意味はないのだけど、45mmという画角は本当にザ・スナップという感じで、被写体が明確、かつ余計なものが写りこまないので使いやすい。35mmにもなり、50mmにもなるという感じ。本当は40mmがベストだけどね。F2.8は必要十分。変な癖もない。

 

Portraはさすがの安定感。個人的には海とか撮るときに使いやすくて、ストリートスナップに使うのはなんだか勿体なく感じるのだけど笑

 

デジタルで得た知識や経験をダイレクトに反映してくれるマニュアルフィルムカメラ。名機Fや、フルマニュアルのFM2などに隠れがちだけど、デジタルで慣れたスナップのリズムを維持しながらフィルムが使える。そんなカメラが使いたければFM3Aは絶対にオススメだ。

 

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Ricoh GR3x が出た!

 

まだ発売もしていないカメラのことを書くのは初めてかもしれない。それくらい面食らったし、一発で欲しくなってしまった。その名もRicoh GR3x。

 

xはextend(拡張)の意味のxらしいが、このネーミングはあんまり好きじゃない。でもその名の通り、従来の35mm換算28mmではなく、40mmという正に標準と準標準の間のような画角は僕が一番好きな画角。そんな画角のコンデジが出るなんて思いもしなかった。

 

このブログでも散々書いたけど、FujiのX-E3にXF27mmF2.8(換算40mm)の組み合わせが僕のストリートスナップ史の中ではパーフェクトだった。そう言えるくらい、個人的に40mmが大好き。

 

またこれはGRと同じ28mmという画角をあらゆるカメラで使ってきた僕の感想だけど、28mmはファインダーでじっくり撮るから気持ち良い部分が大きい。28mmレンズを持つLeica Q2、FujiのX-Pro1にXF18mmF2(換算28mm)、Nikon FM2Nikkor Ai-s 28mm F2.8、どれも漏れなく大好きだったし、広いんだけど広すぎなくて、何故か28mmを持っているとグイグイ被写体に寄って行ける面白さがある。一方でGR3の28mmはどういうわけか僕にはいくら使ってもしっくりこない部分があり、その大きな理由はファインダーがないことだとずっと思っていた。そういう意味でも、サッとポケットから取り出した瞬間が40mmだったら・・・28mmのGR3で撮るより間違いなく捗ると思う。

 

よくよく考えると、前回紹介したフィルムカメラNikonFM3Aに付けているのも、ちょっと違うけどNikkor 45mmF2.8pだし、今は手放してしまったけど写真にハマり始めた初期に使っていたのも40mmの画角を持つRollei 35sだった。 人それぞれあると思うけど、自分が撮りたいと思う瞬間に無駄なく切り取れる画角が40mmなんだろうな。35mmではなく40mm、50mmでもなく40mm。こういう「自分の画角」の話って面白いし、写真の話で一番熱くなる部分かもしれない。

 

そんなわけでGR3x。GR Loverの皆さんは迷わず買うのだろうか?僕は多分28mmを手放して購入すると思う。

Nikon FM3A を買ったよ

Nikon FM3Aを買った!ん?何その機種?って思われる方もいるかもしれないが、ニコン最後のMFフィルムカメラであるアレのことだ。 


このカメラを、今更当時の定価並みの価格で買う人間もまあ珍しいことだろう。僕自身も驚いている。完全に衝動買い。が、ただの衝動買いではない。

僕は、ニコンのカメラが使いたいとここ数カ月ずっと思ってきた。それはNikon Z50であったり、発売が発表されて大好評のZfcであったり、はたまた数年前の名機dfであったり、とにかくニコンの操作性が手元に欲しいなと思い様々な機種を物色してきた。

 

が、どれもこれも決定打にならなかったのは、良い意味で愛機であるLeica Q2のせい。どんな良いカメラを買ったとしても、結局はQ2の良さにスポイルされ、使用頻度が限られることが想像出来てしまうのだ。改めて、絞り開放F1.7の28mm凄さを実感するとともに、逆に言うとレンズ遊びを止める為に手に入れたQ2が自分にとって正解であったことを改めて認識することが出来た。

そんな中でもたまたま店頭で見つけたFM3Aに一目ぼれし、購入してしまった理由。それは・・・

1.      一眼レフが使いたい
2.      追針式露出計搭載のフィルムカメラがほしい
3.      絞り優先がほしい
4.      パンケーキレンズ Nikkor 45mm F2.8Pの存在

これだけの理由が一度に揃ってしまったから。一つ一つ説明させていただこう。

1.      一眼レフが使いたい・・・僕の愛機はLeica Q2、Leica M4、それからOlympusのXA。なんとXAも含めて全てレンジファインダー式 笑(厳密に言うとQ2は違うけど)。 こうなってくると、一眼レフでもミラーレスでもいいんだけど、ピントをバシッと合わせて撮る一眼スタイルがほしくなるものであり、それが別のカメラを探している理由でもあった。

2.      追針式露出計搭載のフィルムカメラがほしい・・・僕はちょっと前までLeica M4を手離して、露出計のあるMPに買い替えることを結構真剣に検討していた。それほどフィルムでもデジタル同様厳密な作品撮りがしてみたいと思っていたのだが、最終的には〇×方式の露出計が僕の撮り方に合わないことから断念。欲しかったのはM5やRollei 35などに搭載されている追針式露出計搭載のカメラだったが、FM3Aがそのタイプであることに気づいてしまった(眼中になかった為その認識がなかった)。

3.      絞り優先がほしい・・・Leica M4を使っていていつも思っていたのがコレ。よってM7の購入も検討したんだけど、投資するにはあまりに高く断念。そしてこれについてもFM3Aが該当することに気が付いてしまった。

4.      パンケーキレンズ Nikkor 45mm F2.8Pの存在・・・上記の条件が揃い、かつ冒頭に書いた通りデジタルではニコンを使う余地がないことがわかった時考えられるのがフィルムだった。F100や、既に所有しているF80でも良かったのだが、原宿の某フィルムカメラ屋さんでFM3Aに出会ってしまった。これだけなら買わなかったかもしれないが、一緒に売られていた45mm F2.8Pに痺れた。FM3Aにベストマッチングだなと思ってちょっとググってみたら、なるほど当時このレンズキットで売られていたと言うではないか。僕は富士のX-E3と27mmF2.8(換算40mm)のコンパクトかつ制限のある組み合わせが大好きだったこともあり、FM3Aと45mmF2.8はそれに該当する、僕の為のカメラとレンズだと思った。

まとめると・・・結局デジタルに関してはQ2で全てまかなえてしまうということが大きかった。Q2は画質のクオリティ的にメインカメラでありながら、手に馴染むサイズ感でありいつでもも持ち運べるからサブ機を必要としない(GRIIIは持っているけど)。であるなら、以前から欲しかった「作品撮りが出来るフィルムカメラ」。それをFM3Aに任せてしまおうかなと思い立った。露出計のないM4でもそれはある程度出来るけど、FM3Aならより自信をもってリバーサルフィルムも使っていけそうだし、ライカではそうそう出来ないオールドレンズ遊びも手頃なお値段で楽しめる。また、もう一つ、このカメラが大体2001年から2006年という2000年代初期に作られた、ニコン最後のMF一眼レフ機であるということも僕にとっては大きかった。当時は僕が大学生から社会人3年目くらいまでの時代だけど、当時のことはまだかなり鮮明に覚えているし、あの頃はまだこんなカメラが店頭で売られていたんだなあと思うと、何とも言えない郷愁に駆られる。時代を感じるけど、まだまだ新しいとも感じられる、面白い時代の貴重なカメラだなと思った。僕は、それよりずっと古いNikon FM2から写真に興味を持ち出したけど、ここにきてその後継機であるFM3Aを手に入れたこと、またそれがFM2を模して作られたというZfcの発売タイミングと重なるというのも面白い。こういうロマン的な観点からもカメラ趣味は止められないなあと思うのだった。

 

自分の意図をしっかり反映できるフィルムカメラ。ちょっと楽しみだ。

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